1からカスタム

飾り気のないハイエースコミューターだからこそやりがいが。

キャンピングカーの内装

従業員やアルバイトの送迎バスとして活躍しているハイエースコミューターは、 乗車したことのある人でも装飾について記憶に残るパーツはほとんどないでしょう。 主に業務用に購入されることがメインなので、乗り心地や利便性を考えて設計 されており遊び心の入り込む余地はほとんどないからです。 なのでこれからどんな車に仕上げるか、とてもやりがいがある車ともいえます。 中途半端に飾られているのではなくまっさらな状態なので、これから自分らしさを 色濃く反映させていく楽しみが丸々残っているのです。 車を手に入れた時にオーナーは、「内装も外装も骨組みしかない、これから自分が 肉付けしていくんだ」と強く感じるでしょう。 最初からそれなりにオシャレな車だとどんなカスタムをしてもベースになっている 雰囲気が残り、よほど無茶なことをしなければ「うわぁ酷いな」と目を逸らされる ような姿になることはありません。 ですがハイエースコミューターにそんな甘えはなく、オーナーのセンスが自動車 にストレートで表現される結果になります。 これをグッドと思える人、全てやってやるぞと熱意を持つ人でなければ完成させる 前に挫折して中途半端な姿で走るはめになるので、飽きっぽい人や予算の少ない人 には手に負えない、上級者向けの車種でしょう。 逆にどこまでも追求する、とことん付き合ってやるぜという人には最高のオモチャで 得られる満足感は極上なことこの上なしです。 最初は素っ気のない、殺風景な車内を隅々まで自分の好みにカスタマイズできる ハイエースコミューターこそ究極のカスタムカーと呼べるのではないでしょうか。 自由にできる空間も広いのでアレンジの幅も大きく、後部をホームシアターのように 改造することだって無理な相談ではありません。 イスとデスクを配置して書斎のように使うこともできますし、運転席の後ろに仕切り を設置して後部座席を独立したルームのようにすることもできます。 ベッドキットも多数市販されているので寝室にもなり、不自由なく一生車内で 暮らせるようにカスタムするのも可能です。 フルスモークにしたい、ステアリングを変えたい、なんてレベルではなく部屋や 家を設計するような気持ちで取り組めるのが大きな魅力でしょう。 注文住宅を建てるには間取りだけでなく内装や外観、使われる資材などとても多くの 選択肢の中から自分で選ぶことになりますが、ハイエースコミューターのカスタム を1からやるのはそれに近いかもしれません。 キャンピングカーを目指すのなら寝床や食事をするスペースを作りますし、お茶を 飲んでくつろげるようソファーだって欲しくなります。 家庭で使われる電化製品にも対応してコンセントの差込口も設置するでしょうし、 カーテンや洋服を収納できるドレッサーも用意するでしょう。 こうなると軽い気持ちでカスタムできる範疇ではなく、生活を変える意気込みが なければ不可能で人生を賭けての娯楽です。 もちろん大きな部分だけでなく細かい所にも気を使うことになり、普通にエアロ を付けたりアームレストを交換したり、よくあるカスタムだって抜け目無くやり きらなければ満足はできないでしょう。 とにもかくにもハイエースコミューターは車いじりが好きで好きでたまらない、 タイヤホイールを交換する程度じゃ心が満たされないというマニア向けの車両で、 1ミリ残らず自分の趣味に適合するように改造したい人でなければ志半ばで ドロップアウトしそうな無限の可能性を秘めた究極のカーなのです。